酒あるいはアルコールに関する報告及び考察



目次





















アルコールとは

アルコールには様々な定義を当てはめることができるが、まず最初に科学的な視点から 人間のからだのなかでアルコールがどのように分解されるか、一般的な知識を述べる。

身体の中に入ったアルコールのうち、90%以上は肝臓によって酸化させられ、二酸 化炭素と水に分解される。また、このときごくわずかではあるが筋肉もアルコールを分解 する。肝臓の中でアルコールは2段階に別れて代謝されることになる。第一段階としては、 アルコールからアセトアルデヒドへの酸化である。この反応はNAD(ニコチンアミド・アデニン ・ジヌクレオチド)を補酵素としたADH(アルコール脱水素酵素)の働きによる。



第二段階ではアルデヒド脱水素酵素の働きにより、酢酸が生成される。



この酢酸が「クエン酸回路」によって二酸化炭素と水になる。あとは、まあ、肝ミクロゾ−ムとかカタラ−ゼとかいうのも一役買ってるらしい。 別に見たわけじゃないけど。以上がアルコールが分解される仕組み。

アルコールがからだにはいると脳のなかの網様体の活動が低下する。網様体は脳幹にあって大脳皮質や 皮質下構造を管理して意識の水準を統括している。アルコールによって網様体賦活系が抑制されると大脳皮質の高等精神機能が麻痺する。そしてこの新皮質に抑えられていた、本能行動や情動行動に関わる大脳辺縁系が活発化する。さらにアルコールの痲酔作用が進むと、次は古皮質、旧皮質まで影響が及ぶ。そして小脳の機能障害へと進む。

次の(図1)はアルコールの血中濃度と酩酊度の相姦性相関性を表したものである。



また、(図2)は酒の種類による飲酒量と酔い加減の関係を示す。





アルコール依存症とは

中島らも先生の「今夜、すべてのバーで」(講談社)を読んでください。


とりあえず、アルコールと薬物の共通性について

依存性薬物には、モルヒネ型、バルビツ−ル酸塩型、アンフェタミン型、コカイン型、 大麻型、 LSD型、有機溶剤型などがある。アルコールはこの中でバルビツ−ル酸塩型によく似た性質を持つ。 これは中枢神経に抑制作用として働き、精神依存、薬物探索行動に基づく問題行動、耐性、身体依存、 行動毒性の急性、慢性の全てにおいてプラスの性質を持つ。

全然関係ないけど、このバルビツ−ル酸塩というのは睡眠薬の主成分のひとつである。 一般名ではアモバルビタール、バルビタ−ル、ヘキソバルビタ−ル、ペントバルビタ−ル、などなど。 商品名としてはイソミタ−ル、バルビタ−ル、チクロパン、ラボナ、とかね。(あー脱線してしまった)

精神分析では、アルコール依存症におちいりやすい人格、性格傾向についてのいくつかの学説があります。説明としては、現実社会に適応できず、飲酒によって幼児期に退行して現実逃避をはかるということ。 これは、乳児期の口唇愛傾向なのか幼児期の潜在性同性愛傾向とにわかれるようです。あとはA型のひとが 依存症になりやすいとか根拠のないものもあります。

アルコール依存傾向があるかどうかはいろいろな自己診断テストである程度わかったりします。


ジョンス=ホプキンス大学のアル中自己診断カ−ド

「酒飲みの心理学」より
  1. 酒を飲んで仕事をサボることがある。
  2. 飲んで家庭に波風がたつことがある。
  3. 飲んで人から不評をかう。(ええ、まあ)
  4. 飲んだあとで深く後悔する。(いつものことです)
  5. 毎日、同じ時間に飲みたくなる。
  6. 飲まないと眠れない。
  7. 翌朝また飲みたくなる。
  8. 外でひとりでも飲む。(飲みますよー)
  9. 飲むと家庭のことに無関心になる。
  10. 酒のために経済的危機に陥ったことがある。
  11. おじけを除くために飲む。
  12. 自身をつけるために飲む。
  13. 不安からのがれるために飲む。
  14. 飲むと友人を見下したくなる。
  15. 飲むと仕事の能率がひどく下がる。
  16. 飲むと向上心がなくなってしまう。
  17. 飲んで完全に記憶を失ったことがある。(、、、あるかも)
  18. 飲んで仕事上のミスをしたことがある。
  19. 飲んで医者にかかったことがある。
  20. 酒のため病院に入院した事がある。

四つから六つあてはまるとアルコール中毒だそうです。


酔っぱらひ

それは私のことです。(誰か書きたしてー)

ここにもうひとつ面白い資料がある。

都道府県別の生活水準と飲酒量の相関係数を求めたものだ。おおまかにまとめると、県民の裕福度が高い程飲酒量は小さくなり、生活保護受給率があがる程、飲酒量は高くなるというものである。この数字は安定水準、安全水準、健康水準から割り出されたものである。

まず飲酒量が多いことが目立つのは、北海道、青森、秋田、東京などでひとりあたり5P以上。そして次に多いのが中国地方、新潟などで4.5P〜4.9P。それに次いで、北陸の残りの県、首都圏周辺部となり、4.0P〜4.4P。ちなみに群馬県はここに当てはまる。もっとも飲酒量がすくないのは東海地方である。


正しいお酒の飲みかた

二合の清酒を身体中から完全に消すためには8時間を要するという。だから、飲み過ぎると二日酔いになったり、いろいろ大変なわけですよ。

理想的飲酒法に関する十二条

「酒飲みのための科学」より
  1. 急いで飲むな。ゆっくり飲みたまえ。
  2. 必ず、適当なつまみと一緒に飲みたまえ。
  3. 1本目(日本酒一合)が終わったら、30分後に2本めにかかりなさい。もしどうしてももう1本というなら、1時間後に飲みたまえ。けっして4本めに手を出さないこと。
  4. 強い酒は水割りで、日本酒は燗をつけて飲むこと、冷酒のコップ飲みは厳禁。
  5. 連日飲酒はしないこと。肝臓にも休みを与えること。
  6. 来客時、夕食事、就寝時など理由づけして必ず飲むようなことをしないこと。
  7. 空腹時、疲労時、浴槽の中で飲むようなことは絶対避けること。
  8. 二日酔いするほど飲まないこと。
  9. もう一杯と思うところでやめること。
  10. 儀礼的な盃のやりとり、お流れちょうだい、返杯などやらぬこと。
  11. うっぷんばらしで飲まぬこと。酔いを殺して飲まぬこと。
  12. 他の薬剤と一緒に飲まぬこと。特に睡眠剤、精神安定剤、感冒薬などとの併用は絶対に行わないこと。
、、、身にしみます。

作文

「お酒とわたし」

先生あのね、わたしわお酒がだーいすきです。でもお、いつものみすぎてしまいます。のみかたがよく わかりませーん。もしかしたらあ、あるこおるいぞんしょじゃなくて、おさけのみすぎることいぞんしょなんでしょおか。おさけのみはじめたのがさいきんなのでほんとにわかりませーん。ねー先生おしえてくださーい。わたしわおさけつよくないです。もおのませないでくださーい。でも、でもお、やっぱりおさけわだあいすきです。


参考文献

『酒飲みのための科学(アルコールの生理と病理)』加藤伸勝著:講談社、1977
『アルコール依存症』斉藤学、柳田知司、島田一男共著:有斐閣選書、1988
『飲酒症−−−「アルコール中毒」の本態』田中孝雄著:中公新書、1986
『酒飲みの心理学』中村希明著:講談社、1990
『依存する心理』渡辺登著:日本実業出版社、1997

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