John Horton Conway (以降 「コンウェイ」) はケンブリッジ大学 (Gonville and Caius College of the University of Cambridge) の伝説的な数学者で,レクリエーション的数学の難しくまた楽しい問題を沢山提供している。
ここで紹介する Conway's Game of Life もその名のとおりコンウェイの発案になる数学パズルである。
日本語では 「ライフゲイム」 と呼ばれることが多い。以降はこの 「ライフゲイム」 で通す。
ライフゲイムは 「ゲイム」 を名乗ってはいるものの,勝ち負けがあったり, 何らかの巧拙を競ったりするものではない。ゲイムは碁盤の目状の平面上で展開される。 碁盤の目 (「セル」という) の一つ一つにはそれぞれ二つの状態,「生」「死」 がある。 セルの生死は厳密なルールに則って決定され,始まってしまうと偶然の介入する余地はない。 このルールなどは後に詳述する。
伝説によるとコンウェイはライフゲイムを 1970 年に発明したと言われている。 コンウェイは以下の目的に適うよう注意深く規則を決定した。
ルールはとても単純である。
まず,あるセルの 「周囲」 を定義する。周囲とは縦横斜めに隣接する 8 個のセルをいう。そして,
たったこれだけである。では,以上のルールを適用するとどのようになるか, 簡単なパターンでお見せする。まず紹介するのは 「ブリンカー」 と呼ばれているパターンである。 これは横一列に 3 個のセルが生きているパターンで,縦・横と繰り返す物体である。
上のルールが適用されている様子がおわかりいただけたかと思う。
ライフゲイムでは 「ブリンカー」 のように,特徴的な物体には名前がつけられている。 そのほとんどは形状から,あるいは動きからの連想によって命名されている。
グライダーとは物体がまるで飛んでいるように見えることから命名されたものである。
上記のグライダーを永遠に生産し,撃ち続ける物体である。30 世代に 1 機の割合で生産する。 この発見により無限に成長するパターンのあることが証明された。
ライフゲイムの面白さ及びその意義はとてもじゃないが伝えきれない。 興味をもたれたならば,以下に挙げる文献を参考にするとよい。 勿論ご自分で探されてもかまわない。