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「字余り」
Soraが間の抜けた声でそう呟くのを、Bashoが聞き逃すはずもなかった。
「そんな筈はない。もう一度計算してみてくれ。頼む」
Soraは子供に言い聞かせるように、ゆっくりした口調で。
「いいですか。Sa-Mi-Da-Re-Oh、ここまでで全体の約5.02%をクリア。 Ah-Ts-Me-Te....」
頭がぼんやりする。あれはSoraの声だろうか。ソラソラとはなんだ?
しっかりしろ。ソラは光系WAVI-Classの鍵空間管理システム。
いやSAVI-Classだったか。ペタ小屋幼年期レベルの知識に侵蝕が及んだらしい。
「畜生、何が起きたんだ一体」
寺パック量の菩ッ徒どもが9重に重ね着したSAM-eをパリパリと喰い破ってくる音が パリパリパリパリパリ。

突然、亜視界にゆらぎのが咲く。「糞ッ」見てはいけないと思いながらも見てしまう
その絢爛業火風光命日な美しさ。
「花花花花花花花花花花花花花花花花花花花花花花花花花花花花花花花花花」
笑っているのは俺か?これが夢にまで見た諧謔の本質だというのか。

遠くソラの声が風に乗って歌うように。
「Sync-LVが急激に上昇しています。
このメッセージは警告レベルの8に相当し$-す。続ける場合はOKボタンを、
中止する場合はキ#*ンセルボ$#F.%^@^@^@^@^@」ここまできて三千里の道のりを
てくてく歩いて帰るわけにはいかない。手ぶらで帰れば OEDO中の笑い者。

さて、あなたは、

カーナビの購入を検討する。
ご近所さんを探す。
おみっちゃんとの例のアレを思い出す。